〈ドラッカー図解〉ブレない意思決定を行うために必要なこと

ドラッカー図解 意思決定

本記事は、2010年4月公開の記事をアップデートして再掲したものです。

ドラッカー著『マネジメント』を図解するシリーズ、6話(全9回)。

今回のテーマ

前回の記事では、生産性の向上について図解しました。今回のテーマは「意思決定」です。

意思決定はどこで行われるか

意思決定がブレると、たくさんの資源を無駄にしてしまいます。では、組織の意思決定はどこで行われるのでしょうか?

意思決定を行う機関として真っ先に浮かぶのはトップマネジメントです。しかし、すべての意思決定をトップマネジメントのみで行なっているわけではありません。組織に階層があるように、意思決定にも階層があります。大なり小なりの意思決定が、組織の各階層で行われます。

ドラッカー図解 意思決定 1

その時、トップから現場まで各階層の意思決定に整合性がとれていないと、人間で言えば上半身と下半身がバラバラの動きをしているようなもので、うまく前に進むことができません。

ドラッカー図解 意思決定 2

トップマネジメントが行う一回の意思決定も重要ですが、それ以外で行われる意思決定も、ひとつひとつは小さくても間違いが積み重なれば、組織の命運を左右しかねません。

ブレない意思決定の秘訣

組織が前進するために、各階層の意思決定の整合性をとるにはどうしたらよいのでしょうか。それには、すべての意思決定を串刺しにする「何か」が必要になります。その「何か」について、ドラッカーは次のように述べています。

あらゆる組織において、共通のものの見方、理解、方向づけ、努力を実現するには、「われわれの事業は何か。何であるべきか」を定義することが不可欠である。(『マネジメント【エッセンシャル版】』より)

事業が明確に定義されることによって、自分たちが「やるべきこと」と「やらないこと」の線引きができ、それが意思決定の判断軸になります。

ドラッカー図解 意思決定 3

たとえばユニクロは「製造小売業(SPA)」を事業にして成長してきました。それを今度は「情報製造小売業」と再定義しました。テクノロジーを用いた製造小売のあり方を示したもので、これが新しい意思決定の軸になります。

このように、トップマネジメントの大事な仕事のひとつが、自分たちの事業を定義することです。それから、定義した内容を組織に浸透させることになります。

企業の目的としての事業が十分に検討されていないことが、企業の挫折や失敗の最大の原因である。逆に、成功を収めている企業の成功は、「われわれの事業は何か」を問い、その問いに対する答えを考え、明確にすることによってもたらされている。(『マネジメント【エッセンシャル版】』より)

つづきを読む

次回は、企業のミッションと事業の関係についてまとめます。
次の記事:〈ドラッカー図解〉誰のどんな欲求を満足させるのか?

ドラッカー図解シリーズ目次

01:マネジメントとは
02:マネジメントの役割とは
03:「顧客の創造」とは
04:マーケティングとイノベーション
05:生産性を上げる、6つの視点
06:ブレない意思決定を行うために必要なこと(本記事)
07:誰のどんな欲求を満足させるのか?
08:事業の発展に欠かせないこと
09:行動を決める際の2つの指針とは

MAGAZINE
ビジュアルシンキング
TEXT BY
櫻田潤
櫻田 潤(さくらだ・じゅん)

インフォグラフィック・エディター/NewsPicksで働きつつ、個人でも活動中。データや情報を視覚化して、見えなかった事実や物語を見えるようにする人。著書に『たのしい インフォグラフィック入門』『図で考える。シンプルになる。』ほか。...もっと見る